高齢社会を迎え、骨粗鬆症の人は年々増加の一途をたどり、その数は約1000万人を突破しています。
骨粗鬆症はこれまでは単なる加齢現象ととらえられていましたが、骨の病的な状態と考えたほうが良いようです。
健康な骨の内部には、たくさんの棒状の骨が縦横に連結し、その強度が保たれています。
骨粗鬆症になるとこれらの棒状の骨が細くなったり切れたり、太さが変わらなくても弱くなったりして、もろくスカスカの状態になり、骨折が生じやすくなります。
高齢者は転倒による骨折が非常に多いのですが、その多くは骨粗鬆症が原因と言われています。
原発性骨粗鬆症
主として閉経後の女性にみられる閉経後骨粗鬆症と、65歳以上の高齢者にみられる老人性骨粗鬆症とがあります。
原発性骨粗鬆症が全体の約90%といわれています。
続発性骨粗鬆症
続発性骨粗鬆症の原因としては、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、
関節リウマチ、動脈硬化、慢性腎臓病、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病などの
生活習慣病があります。
薬の副作用による骨粗鬆症として代表的なものには、ステロイド薬の長期
服用があります。
基礎疾患があってステロイド剤を服用している人には、予防的に骨粗鬆症
の治療がよく用いられます。
治療方法
日常生活指導
骨の材料となるカルシウム(乳製品・小魚・小松菜など)
骨代謝を盛んにするビタミンD(サケ・ウナギ・シイタケなど)
骨の形成を促すビタミンK(納豆・ほうれん草・にらなど)
を十分にとり、また食事全体の栄養バランスやカロリー量にも配慮するのが
よいでしょう。