院長・副院長ブログ

2018.08.06

妊娠中の指輪にご用心

 女性にとって、妊娠、出産はそれこそ命がけの大仕事です。あの狭い産道から3000g近いお子様を出産するのですから、出産に備えて女性の体の中では、色々な変化が起こります。その中でも出産時の出血に備えて沢山の血液量を維持する為の変化が起こるので、その影響で体が浮腫みやすくなります。手指もしかり、お二人の大切な結婚指輪も浮腫で全く取れなくなることも起こります。もちろん、出産後徐々に体は妊娠前の状態に戻りますが、一応当院では出産前には、はずしていただくようにお話しています。


 先日この様な出来事がありました。臨月で陣痛も発来した妊婦さんが分娩に備えて、ご主人、お母様、そして、あさ子先生始め当院のスタッフと頑張っていましたが、なかなか分娩が進まず、胎児心音も危険な徴候を示し始めていたため、自然分娩を断念し、帝王切開に踏み切ることにしました。さてその準備を開始しましたが、左環指にしていた大切な結婚指輪が全く抜けない状態になっていました。お母様始めご家族で一生懸命はずそうとしましたが、ソーセージのように浮腫んでいるため、指輪はびくともしませんでした。このままでは手術に支障を来すため、断腸の思いで結婚指輪を切断することにしました。もちろんそれを快諾してくれたお母様、ご主人には感謝でいっぱいでしたが、さてどやって切断するか?そこは、餅屋は餅屋で貴金属店に専用の指輪切りがあることがわかりました。しかし、すぐに帝王切開しなければならない状態なので、どうしようか困っていた所、増子時計店の増子専務が、仕事中にもかかわらず早急にクリニックに器具を届けてくれました。それも新品のカッターだったので、すぐにすぱっと切って外すことができて帝王切開も無事済んで元気なお子さんを出産することが出来ました。母親学級で、指輪のことはご説明していますが、まさか自分にこんなことがおこるとは思っていないことでしょう。しかし、実際には起こることですので、くれぐれもご注意ください。最後に、快く結婚指輪を切ることをお許し頂いた患者様、ご主人と、一目散にカッターを届けて頂いた増子時計店の増子専務には心から感謝申し上げます。


              トータルヘルスクリニック  院長 土屋繁文