新生児の育児
初めての子育てで不安はいっぱい...でも安心してください。
マニュアルどおりにならないのが育児です。
育児書に書かれていることは、それなりに真実ですが、あくまで目安。
一人一人成長も違いますし、見本なんてありません。
育児書や他の赤ちゃんと比べたりしないで、個性を大事にしてあげましょう。
産後は特に精神的に不安定になりやすく体も疲れていますから、積極的に気分転換しながら子育てしましょう。

6つのポイント
完璧な育児をしようとすればするほど、うまくはいかないもの。
ママに心の余裕がないと、赤ちゃんもすくすく育ちません。ある程度手を抜くのが賢い子育てです。
次の6つのポイントを心に留めて、子育てを楽しみましょう。
生後1か月の赤ちゃんのために
生後1か月の赤ちゃんにとって、大切な育児のポイントを項目別にご紹介します。
また、1か月児健診の際には、当クリニックスタッフと一緒に確認しましょう。
生後1ヶ月の赤ちゃんには大人のような生活のリズムはありません。1ヶ月を過ぎてくると生活のリズムができ授乳時間も3~4時間おきになってきます。1回の授乳毎に十分に飲ませるようにしていれば、自然に間隔があいてきます。
母乳は赤ちゃんに最も良い栄養であるばかりでなく、病気に対する抵抗力を赤ちゃんに与え、母と子の絆を一層強くするものです。赤ちゃんの乳首を吸う刺激が母乳分泌を増やします。
赤ちゃんが空腹で吸う力が強い時に、まず母乳をあげましょう。
- 1. 赤ちゃんが30分以上乳首をくわえたまま離れません。
- 2. 母乳を飲んでもすぐ泣いてしまいます。
- 3. 体重が順調に増えません。
- 4. 尿や便の量や回数が少ないです。
- 1. 濃度を正しく調乳しましょう。
- 2. 抱いて飲ませましょう。
- 3. 無理強いをしないようにしましょう。
- 4. 1回量を10分~15分で飲めるように、乳首の穴、空気穴を調節しましょう。
- 5. 粉ミルクの扱い方
- ●缶を開けたら10日間ぐらいで使いきれる程度のものを購入しましょう。
- ●冷蔵庫に入れておくのは良くありません。
- ●涼しく風通しのよい戸棚にしまいましょう。日光の当たる所は避けてください。
(衛生上、缶の中にサジを入れたままにしないでください)
季節に合わせて、赤ちゃんに心地よい環境を整えてあげましょう。
冷暖房が必要な場合、気温±5°Cくらいを目安にして、家の中でも季節が感じられるようにしましょう。
暖房器具を使う冬は乾燥により風邪を引きやすくなりますので、少し高めの70%くらいに保ちましょう。
定期的に換気をし、空気を入れ替えることが大切です。
着せすぎになりやすいですが、大人の感覚と同じで大丈夫です。
季節や室温に合わせて、上手に調節してあげましょう。
生後1ヶ月を過ぎたら、家のお風呂に入れられます。
ただし、おへそがじくじくしている時は、今まで通りベビーバスで入れてあげましょう。
※入浴できない時…体温37.5°C以上の時、下痢や咳のある時は控えましょう。
赤ちゃんの便の色、硬さ、回数などは様々です。機嫌がよく、母乳や人工乳を良く飲んでいれば心配いりません。
赤ちゃんに次のような症状が見られたら、便秘のサインと言えます。オイルをつけた綿棒で肛門を刺激したり、お腹のマッサージをしてみましょう。いろいろ試しても改善されなければ、受診しましょう。
- ●便が出ないために赤ちゃんの機嫌が悪く、おっぱいをあまり飲まない。
- ●排便時にかなりいきんだり、痛がって泣いたりする。
- ●毎日排便の習慣があるのに3日以上も便が出ない。
- ●お腹がはって、吐きやすい。
赤ちゃんの便はもともと軟らかいのですが、日ごろの倍以上に水分の多い便を繰り返すときは下痢と言えます。赤ちゃんの機嫌がよく、食欲もあればあまり心配することはありません。ただ、おしりがただれやすくなるのでおむつは度々取り替え、おしりはいつもきれいにしておきましょう。
下痢に次のような症状がある時には、すぐに受診しましょう。
- ●悪臭のある便
- ●血液や粘液が便に混じる
- ●発熱や嘔吐がある
- ●機嫌が悪く食欲がない
- ●ぐったりとして元気がない
赤ちゃんの便は黄色または緑色が普通ですが、灰白色の便が出たら要注意です。赤ちゃんは黄疸の元になっている物質(ビリルビン)を便として体の外に出そうとしています。うまく体の外に出ている時、便は黄色や緑色をしていますが、うまく出ないと白っぽい色になってきます。原因として胆道閉鎖症や乳児肝炎などの病気もあります。
生後1ヶ月の赤ちゃんに見られる症状や、日常での育児のポイントについてご紹介します。
授乳の時や激しく泣いた時など、空気をたくさん飲み込むことがきっかけで、横隔膜が収縮することで起こります。1~3ヶ月頃までの赤ちゃんは、横隔膜を調節する神経の発達が未熟な上に、皮膚や粘膜も敏感で気温の変化等によっても、よくしゃっくりをします。これも成長するにつれて少なくなってきます。
たいてい2~3分、様子を見ると自然におさまります。
赤ちゃんは、お乳を飲む時に空気を飲み込むことが多く、げっぷが十分に出ていないと後でお乳を吐いたりします。飲んだ後にしっかりげっぷをさせましょう。しかし、どうしてもげっぷが出なければ、次回に期待しましょう。お腹にたまっている空気は「おなら」となって出ていくことも多いです。
抱っこして赤ちゃんの背中をやさしくトントンしたり、背中を下から上へゆっくりさすったりして母子ともにくつろぐことが大事です。
赤ちゃんの胃の入り口は筋肉が弱く締まりが悪いため、急に体の位置を変えたり、お乳を飲みすぎたりした時などに、一旦胃の中に入ったお乳が逆流しやすいという生理的な状態が見られます。
赤ちゃんは泣くことで自分の意思をお母さんへ伝えようとします。おっぱいが欲しい時、抱っこして欲しい時、遊んで欲しい時、おむつがぬれておしりが気持ち悪い時...その気持ちがお母さんに伝わったらピタリと泣きやんで満足そうな表情をします。
最初のうちはなぜ泣いているのか分からないかもしれません。そんな時、お母さんが不安そうな顔をすると、赤ちゃんも不安になります。あせらず一緒に1つ1つ解決していくつもりで頑張れば、きっと自信につながっていきます。
泣くたびに抱っこしていたら「抱きぐせ」がついてがまんのできない子になるのではないか、という心配をよく聞きます。赤ちゃんは次第に知恵がついてくると、じっと寝ているだけでは退屈になってきます。自分では体を思うように動かせないからなおさらです。赤ちゃんだって、いろいろと体験したいのです。
だから、この時期は「抱きぐせ」など心配せずに思う存分抱っこしてあげましょう。だからといって、まったく泣かせないようにしていたら、お母さんが疲れてしまいます。お母さんが用事のある時は、「待っててね」と赤ちゃんに声をかけて用事を済ませてから抱っこしても遅くありません。そのうち、赤ちゃんも「お母さんはいつも抱っこしてくれるとは限らない」ということを経験的に学んでいきます。

- ●噴水のようにお乳を吐く時
- ●吐く回数が多く、どんどん回数が増えてくる時
- ●体重が増えない時
- ●機嫌が悪く、吐乳後もあまりおっぱいを欲しがらない時
- ●下痢や熱がある時