診療部 日々のできごと

DATE. 2019.05.22

初めてオフで心臓マッサージをして

院長

松本 昭憲

先日、長女の結婚式で沖縄を訪ねていた時の事です。家族でホテルのラウンジで朝食を摂っていた時、今年、医師になったばかりの三女が「パパ、子供が窒息して心停止している」と駆け込んできました。娘と現場に直行すると、小さな幼児(後に、未熟児で産まれた1歳7ヶ月と判明)が無呼吸で顔色がチアノーゼの状態でいました。現場には、先に糖尿病科の医師がいました。自分は救急専門医であると説明して、二人で蘇生行為を開始しました。ホテルの従業員にはハサミと毛布を持ってくるようにお願いし、ドクターヘリの要請も依頼するように伝えました。家族から発生状況(食事中に突然呼吸をしなくなったとの事)、既往歴(未熟児で産まれたこと、小腸穿孔、横隔膜ヘルニアで手術歴があるとのこと)聴取し、母子手帳を確認したい旨を説明。蘇生行為途中に口から人参のみじん切りが出てきました。幸いにも、蘇生行為開始後、約6分でその幼児は、泣き声を発してくれました。やがて救急隊到着(発生から現場到着まで約15分。やはり、時間がかかりますね!夢中だったので長く感じませんでしたが、ご家族は長く感じたでしょうね)。喉頭鏡(口の中を展開する医療機器)で口の中を見たところ、白色の嘔吐物を確認。子供用の医療器具ではなかったので大人用で観察しました。救急隊の吸引器をお借りして吸引。ドクターヘリが到着しているとの事(ホテルの駐車場に。さすが沖縄!)糖尿病科の先生(蘇生時にマウスツーマウスをしてくださいました!)とドクターヘリのランデブーポイントの駐車場へ。ドクターヘリのドクターに申し送りをし、無事任務終了(オフですから任務ではありませんが)。糖尿科の先生は、「ツアーで来たので急いで戻らないと」とのことで、一緒にホテルに戻りました。途中、その糖尿科の先生の奥様とすれ違いましたが、「先生、お疲れ様でした」と爽やかな笑顔。せっかくの旅行が、台無しになりかけたのに、沖縄の空のような晴れやかな笑顔でした。娘に「よく、自分で手を出さなかったなあ?」と聞くと、「まだ医師になったばかりだからね。まだ、何も出来ないから、パパを呼んだほうが、早いから。今度から、出来るようになっておくよ」と。親に似ず、冷静なわが娘。でも、お前も嫁に行ってしまうじゃないかと、急に父親に戻りました。医師になって、今年で34年目を迎えます。仕事以外で初めて蘇生行為をしましたが、やはり大変ですね!日頃、一般市民に蘇生行為をしましょうと呼びかけてはいましたが、想定外の状況での大変さを改めて感じました。後日、沖縄の金武消防署から、感謝のお手紙を頂きました。これからも、一般市民に心肺蘇生の重要さを呼びかけていきたいと思います。

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