診療部

DATE. 2021.04.28

救える命:ワクチン接種の意義

土屋病院院長 松本昭憲

今年の最大の関心事は、新型コロナウイルスのワクチン接種だと思います。1796年に天然痘のワクチンが世界で始めて出来ました。ワクチンは、感染症に対する免疫をつけたり、免疫を強めたりするものです。私達は子供の時から、何らかのワクチン接種を受けてきましたが、最近はワクチンの副反応が過剰に報道された結果、日本では、ワクチン="怖い"という考えを持つ方が多くいるのも事実です。以前より季節性インフルエンザワクチン接種率が低くなっていたが問題となっていました。結果、戦後初めて、日本の寿命が短くなったきっかけは、豚インフルエンザが流行したことです。私が子供の頃、インフルエンザワクチンは、学校で集団接種していました。不衛生な注射器の使い回しでB型肝炎が広まったのも事実です。今は、ディスポの注射器で使い回しをすることは有りません。日本では、ワクチンの忌避形か強いきっかけの一つとなったのは、子宮頸癌予防ワクチンの安全性が問題になったことです。OECD(経済協力開発機構)20等の経済先進国でワクチン接種率が一番低いのは日本です。先進国で日本だけが、子宮頸がんの発生が減っていません。諸外国では、今では男性にも子宮頸癌予防ワクチン接種を、行うようになってきています。ワクチンの副反応だけが問題になって、子宮頸癌になることが、問題にならないのでは、健康問題としてバランスが取れないと考えます(防ぎえる数少ない癌なのに)。現在接種率は1%未満です。結果日本では子宮頸がんの発生は、減りません。新型コロナウイルスワクチンでもアナフィラキシーの問題、血栓症の問題が取り上げられています。メリットよりもデメリットが強く訴えられているような印象です。一方で罹患した人や、組織に対するバッシングは、激しい状況です。治療よりも予防のほうが大事なのは言うまでも無いことです。疫学的には全体の75%以上接種しないと効果がありません。有効率75%というのは、ワクチンを打たない集団より打った集団が75%罹り難いということです。75%の人が罹らないとは違います。ワクチン接種のメリット、デメリットを正しく理解しましょう。

医療法人慈繁会 各施設のご紹介